皆さんこんにちは('ω')
クマ男です🐻
今回話すテーマは⇩
日本の農業の未来予測 将来性は意外と明るいかも?
というテーマで話をしていきたいと思います。
さて、さっそくですが皆さんは日本の農業の将来ってこれから明るいと思われますか?それとも暗い?
「いやいや、日本の農業なんて高齢者ばかりが働いていて、しかも儲からない世界だから将来性なんてないでしょ?」
そんな声がなんとなく多く飛んできそうな気もしますが、実は私はそうは全く思っていなかったりします。
なぜなら、日本はこれから多くの食糧問題に直面していくことになり、その問題を自国の農業で解決しなくてはいけないからです。
当たり前ですが、問題があるということは、そこにお金と労力を注いで解決に向かうわけで、とりわけ食糧問題は命に関わるものですから、国策として取り組む可能性が極めて高いと思われます。
ということで、今回は「日本の食糧問題解決=農業に将来性がある」として、3つの理由を解説していきたいと思います。
日本の農業に将来性がある3つの理由⇩
- 農業従事者の人口減
- 世界食糧危機の到来
- 世界インフレ&円暴落による食糧品の高騰
農業従事者の人口減
まず一つ目の理由、農業従事者の人口減が大きな理由になります。
日本の農業は少子高齢化が進んでいて、農林水産省の資料によると基幹的農業従事者の平均年齢は67.9歳(2022年時点)という数字が出ています。
もはや農業は、おじいちゃん、おばあちゃんばかりの世界ですね(;'∀')
とはいえ、「人口が減るのに将来性があるってどういうこと?」って思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
その理由はとてもシンプルで、人口減によって農家の数が減れば、競争相手が少なくなり、一人当たりの農家の儲けが増えるからです。
そうすれば、農家は儲かる商売ってことで、農業の生産性を上げようと投資も集まりやすくなります。
むちゃくちゃ当たり前のことを言ってますが、皆さんのなかにはこのように反論される方がいらっしゃるのではないかと思います。
「いやいや!そもそも働き手が少なくなっているのに、生産量を維持できるの?」
って思われた方もいたのではないでしょうか。
実は、その心配はそんなに必要ないのではないかと私は思っています。
なぜなら、農家の人口減を見越してすでに日本は国策として動いているからです。
例えば、農林水産省が公開している資料にこんなのがあります。
⇧に映っている機械はヤンマーが販売している無人トラクター。
なんと人が操縦席に座ることなく自動で畑を耕してくれる優れものです。
これがあれば、確かに人手不足を補うことができるし、トラクターが仕事をしてくれている間に別の仕事もできそうですね。
それと、もう一つ私が注目している企業に農業向けドローンを開発しているオプティム社があります。
農薬や肥料を人間の代わりに散布してくれるのですが、特に注目なのがピンポイント農薬散布が可能なところです。
ドローンに搭載されたカメラで農場を撮影し、それをAIが画像分析し、作物にひっついている害虫の位置を特定し、ピンポイントで農薬をぶちまきます。
これって普通に凄くないですか?
これを人間がピンポイントでやろうとしたら何千倍の時間がかかりそうです(笑)
通常であれば、畑全体に農薬をぶちまいていくものですが、ピンポイントでまいていくものですから、かなりクリーンな減農薬栽培ができるのも魅力の一つです。
そもそも日本は農業の生産性が低い
そもそも日本は世界の先進国のなかで、極めて農業の生産性が低かったりします。
これはアメリカ、ヨーロッパの国々の農業従事者一人あたりの耕作地面積をあらわした表になります。
つまり「私はこんだけの耕作地を一人で管理しているよ!」っていう指標ですね。
海外の農家からすると「日本の農家の人々はこれっぽっちの作業しか出来ないの?」っていう、とても残念な結果でもあります・・・
また、逆説的ではありますが、日本の農家の数が年々減ってきていると言われてますが、むしろ海外からすれば日本は潤沢な労働力ともいえます。
しかしながら、このスマート農業を日本でも本格化することができれば、欧米諸国のように生産性を上げることができ、農業従事者1人当たりの耕作地面積もどんどん上がってくる可能性があります。
そうなれば、いままで米を作ってもあまり儲からなかったとしても、同じ価格帯でその2~3倍もの量を販売できれば、売上も2~3倍になるわけです。
なので、農業の人口減というのは、日本の危機的状況でありますが、この危機に対して国を上げて取り組むということは、ビジネスチャンスと捉えることもできます。
世界的な食糧危機(世界人口増、ウクライナ危機)
さて、次に日本の農業に将来性がある理由については、「世界が食糧危機に発展する可能性がある」です。
どういうことかというと、まずは下のグラフをご覧ください⇩
これは、世界人口の推移と、主要穀物の推移をあらわしたグラフになります。
ご覧のとおり、世界の人口は年々増え続けていて、国連によると2050年には97億人に到達する可能性があると示唆されていたりします。
当たり前ですが、人が増えれば世界で必要とされる食/糧も同時に増えますよね?
食べなきゃ餓死するのですから当然で、だから世界中で農業を頑張っている国があるわけです。
でも、人が増えているのに、もしも食糧を充分に供給出来なくなったらどうでしょう?
例えば、「昨年よりも世界人口が1%増えたんだ~凄いね!・・・でも作物の収穫量が異常気象で昨年よりも10%も減ってしまったんだ~」
なんてことが起きたら、世界はどうなると思います?
単純計算すれば、世界の10%以上の人たちがお腹をすかせた飢餓状態に追いやられることになるわけです。
もちろん、世界はそんなに単純じゃないでしょうけど。
土地という面積の限界
「いやいや、毎年頑張って作物の生産を増やし続ければ挽回できるでしょ!」って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、地球という土地の面積には限りがあります。
下のグラフをご覧ください。
これは世界の耕作地面積と、主要穀物の生産量の推移をあらわしたグラフになります。
ご覧のとおり、耕作地に関しては1960年から伸びてはいるけど、どちらかというと横這い状態。
それに対して主要穀物はグングン生産量を上げてきています。
限られた土地という資源のなかで人類は作物を作っていき、数々のイノベーションで生産性を上げてきました。
しかし、人は無限に増やせても、土地は有限です。
農業イノベーションもどこかで鈍化するでしょうし、作物を育てている国や土地でなにか有事が起これば大変です・・・
なので、この人口増に対して作物の生産性がどこかで低下したり、滞ったりすると、世界中で食糧危機が起きる可能性があるわけです。
ウクライナ侵攻による食糧危機
それが、今まさに起きているロシアのウクライナ侵攻です。
なぜなら、下のグラフをご覧頂ければ分かるように、ロシア、ウクライナは主要穀物である小麦の輸出量で30%もシェアを握っていたりします。
当然、両国は戦争をドンパチやっているわけですから、攻め込まれているウクライナは小麦を作っている場合ではないですし、ロシアも世界から制裁をくらいまくって、海外の食糧も手に入りにくくなっているし、価格も高騰している。
だったらロシアは「自国で作った小麦を食べてた方が安くていいよね?」みたいな感じになるし、そもそも海外の国々もロシア産の小麦を輸入しにくくなっている。
じゃ~今後世界で何が起きるかといったら・・・
小麦不足による世界的な食糧危機です。
「そんな大げさな!小麦ごときでそんなことになるの?」
って思われる方もいるかもしれませんが、冷静に考えて私たちが普段食べている食糧はなんですか?
「米、小麦」のこの2つです。
国際連合食糧農業機関のデータをもとに、私が1日の摂取カロリーのなん%を小麦がしめているのか計算したところ、なんと約18%(世界平均)です!
それどころか、小麦を主食とするエジプト、トルコではなんと35%近くをしめています!
中東、アフリカの後進国では40%を超える国もあるので、小麦が不足するのは本当に危機的状況だと思ってください。
日本への食糧危機の影響
じゃ~この影響は日本にもあるのか?
当然ながらあります!
日本の小麦の輸入量は、全供給量の約85%ちかくをしめています。
だから、ほぼほぼ輸入品に頼っているため、世界中で小麦の供給不足が加速すれば、日本の仕入れ価格も上がってしまいます。
既に日本でも小麦の輸入価格は上がっていて、その影響はこれから本格化してきます。
しかも世界の人口は今もなお増え続けていて、小麦の供給不足はさらに拍車をかけますし、温暖化による影響で、今後作物の収量も落ちてくると予想されていますから、小麦だけでなくあらゆる穀物の価格が上がってくる可能性すらあるのです。
となるとですよ。
日本がどうすべきか分かりますよね?
海外産の食糧に依存せず、自国の食糧でまかなえるよう農業に力を入れていかなくちゃいけないってわけです。
だから私は、日本の農業が伸びるであろうと思っているし、むしろ「やらなきゃ日本は沈没する」かもみたいに思ってます(._.)
世界のインフレ、円の暴落で輸入品が高騰
最後の理由になりますが、これは昨今話題となっている世界インフレ&円安懸念によるものです。
株や投資をやっている人なら当たり前に知っていることだとは思いますが、今世界中でとんでもなく物価が高騰していて、海外から入ってくるモノの価格がグングン上がってきています。
例えば以下のグラフは直近の原油(1枚目)と天然ガス(2枚目)の先物価格の推移になります。
※原油
※天然ガス
どうでしょう?
原油も天然ガスも天井を突き上げるかのように、異常な速さでぶち上げているのが分かるかと思います。
これと食料品価格になんの関わりがあるの?
そんな質問が飛んできですが、世の中のあらゆるものは原油で作られていたり、またはそれを輸送するためにも原油が必要ですよね?
あとは、野菜や家畜を育てるためにも、暖房費として原油が使われている場合もあるかと思います。
天然ガスはどうかというと、これも厄介で、天然ガスの価格はむちゃくちゃ電気料金に反映されやすく、世界中で電気料金がアゲアゲ状態になっています。
例えば、日本において発電量に占める天然ガスの割合は最も大きく、その割合は約40%ほど。
さらに発電に用いられる天然ガスの割合は約70%ほどで、天然ガスの用途は発電に大きく使われているのが分かります。
これはアメリカ、EUでも似たような構造で、アメリカについては2019年頃に発電量の割合で天然ガスが№1に踊りでています。
つまり何が言いたいかというと、エネルギー価格の高騰で海外でモノを作るためのコストが大幅上昇していて、それを日本にもってくる輸送コストも爆上げ状態。
だから、海外からモノを買うのが辛くなっているよって話です。
円が暴落しドルが暴騰
それと、輸入品の価格が上がっているのはそれだけじゃありませんよ!
ドルもめちゃくちゃ上がっています。
私たちが海外からモノを購入するには、日本円を売って基軸通貨であるドルに交換しなくてはいけません。
なのでドルの価格が高くなればなるほど輸入品の価格も上がってしまうわけなんですが、昨年からドルの爆上げ祭りが進行しまくって大変なことになってます・・・
下のグラフをご覧ください⇩
これは直近のドル円のチャートをあらわしたもので、ここ2年くらいの推移になるのですが、なんと2021年1月時点では1ドルにつき102円~103円だったのが、2022年4月時点ではなんと125円台を突破しています・・・
言い換えれば1年ちょっとで日本円の価値がドルに対して20%も暴落していることを意味します・・・
ってなると、当たり前ですが、海外から安く購入できていた食料品の価格も20%近くも値上がりしていて、そろそろ市場価格にも影響が出てくるのではないかと思っています。
しかも、円安はまだおさまる気配がなく、下手をしたら1ドル130円を突破する可能性すら出てきているのです(;'∀')
この円安の理由については、また別の回で詳しくお伝えしたいと思いますが、これは日銀の金利政策と、FRB(アメリカ)の金利政策の影響がとても大きいです。
超シンプルにいうと、日本は低金利政策を維持し続けているのに対し、アメリカは低金利から徐々に金利を上げようとしています。
これがどういう意味かというと、「日本の銀行にお金を預けていても大した利息はもらえないけど、これからアメリカが金利を引き上げるのであれば、アメリカの銀行にお金を預けておいた方が利息がたくさんもらえてお得だよね?じゃ~円なんて売ってしまってドル買いましょう」
みたいなことが、今まさに起こっていて、それがさらに加速する可能性があるかもしれないってことなんです。
だからしばらく日本は海外からの輸入品の価格が高止まりするし、もっと高くなるかもしれない。
そうなれば、食糧自給率の低い日本においては大打撃・・・
なので、日本はこれから国内の食糧自給率を上げようと国をあげて取り組むのではないかと思っているので、今後の日本の農業に投資が集まるのではないかと思っています。
これが私が農業に将来性があると思っている三つ目の理由です。
まとめ
以上、長くなりましたが、「日本の農業は将来性がある」という理由について述べてきました。
あくまでもこれは私の勝手な憶測によるものなので、絶対に日本の農業が伸びていくと思わないでくださいね(._.)
でも、真剣に取り組まなければ、世界中の国々が成長を遂げていて、日本はどちらかというと衰退・・・
しかも地政学的リスクをたくさんはらんだ世の中ですから、いつどこで何が起きてもおかしくない状況です。
そのためにも、海外から万が一モノが入ってこないだとか、値段が暴騰した時に備え、「生きていくために不可欠である食糧くらいは自国で賄いましょうよ!」ってことを強く願っています。
そして消費者である私たちも、この状況を真剣にとらえ、将来をになう若者が農業に興味を持ち、儲かる産業に成長させていかなくてはならないと思ってもいます。
以上、「日本の農業の未来予測 将来性は意外と明るいかも?」についてご紹介致しました。
参考:⇩
農林水産省 スマート農業の展開について2022:https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/attach/pdf/index-26.pdf
農林水産省 スマート農業の展開について2020 : https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/pdf/smart_agri_tenkai.pdf