皆さん
こんにちは('ω')
さて、今回も前回の投稿の続きを行っていきたいと思います。
どんな内容かと言いますと⇩
【ロシア ウクライナ問題】天然ガスの利権を狙う国、弱くなる国
そんなテーマでございます。
皆さんご存知のように、今世界の多くの国がロシアに対してゴリゴリの制裁を喰らわせていますよね?
「これでも喰らえ!」ってくらい袋叩きにしているのはお分かりかと思いますが、しかしながらロシアをボコボコにした結果、返り血を浴びるのは制裁を科した国だったりするわけです・・・
前回の投稿でお伝えしたように、ロシアは世界のエネルギー資源である「石炭、原油、天然ガス」の世界輸出量TOP3に君臨していて、その中でも天然ガスは世界№1!
つまり、世界一位の反撃手段としては、「お前らには天然ガスやらん!」が一番キツイ反撃だったりするわけですね(;'∀')
とはいえ、とはいえですよ!
稼ぎ頭である天然ガス様が仕事してくれないようであれば、ロシアとしても困るわけです・・・
そんなところから、「お~ロシアさんよ!そんなに困ってるのなら、ワシがあんたの天然ガス買ったるよ!ちょうど欲しかったしな」という国がいると私は思っているわけです。
ロシアの天然ガスを狙う中国
じゃ~その国はどこなのかというと中国です!
見え透いた答えで「やっぱりな」と思っている方が大半かと思いますが、どう考えても中国にとって今回の事件は都合が良いのではないかと思ったりしています。
それはなぜなのか?
ガチで中国は天然ガスがむちゃくちゃ欲しいからです。
そのむちゃくちゃ欲しい理由は、中国の「脱炭素」が関係していると思ったりしています。
もちろん、他国を弱らせ、国際的に有利になる思惑もあると思いますが、ここでは脱炭素を主軸にお伝えします。
クリーンなエネルギー 天然ガス
皆さんご存知かもしれませんが、天然ガスは石炭や石油に比べ、CO2排出量が少なくクリーンなエネルギーとして世界で価値が高まっていたりします。
ではどれぐらいグリーンなのか?
参考までに以下の表をご覧ください!
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排出係数(tC/GJ) | |
一般炭 | 0.0247 |
原油 | 0.0187 |
液化天然ガス(LNG) | 0.0135 |
※出所:環境省「算定方法・排出係数」を参照
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上の表は排出係数といって、石炭や天然ガスを燃やした際に、同じ熱量を得るために排出される、二酸化炭素の排出量を数値化したものです。
分かりやすくするため、これを比率(石炭を100%とした場合)で表すとこんな感じです⇩
CO2排出量の比 | |
一般炭 | 100% |
原油 | 76% |
液化天然ガス(LNG) | 55% |
※出所:環境省「算定方法・排出係数」を参照
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と、ご覧の通りで、天然ガスは石炭の55%(約半分程度)のCO2排出量になるという、超優秀なエネルギーなんです。
目指せ脱炭素!石炭からクリーンな天然ガスへ大転換
脱炭素に向けて天然ガスを欲しがる中国・・・
しかし、それまで中国は「温暖化なんて関係ねぇ~や」って感じで、石炭をバンバン使っていて、世界一の温室効果ガス垂れ流し国だったのですが、ここにきて「2030年にはCO2排出をピークアウトします!」
そんな方針を電撃発表していたりします。
10月末から11月にかけて英国で開催されたCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)で、中国の解振華気候変動特使は、カーボンニュートラルの実現に向けて新たな政策的な取り組みを実施していると表明した。その直前の10月24日に、中国の国務院(日本の内閣に相当)は「2030年のCO2排出ピークアウトへの行動方針に関する通知」(以下:行動方針)を発表している。この行動方針に基づいて、電力部門と産業部門の低炭素化により、2025年から石炭の消費を減少させる計画だ。
「出典:公益財団法人 自然エネルギー財団HPより」
とのこと・・・
つまり、「CO2出しまくる石炭をやめて他のエネルギーにどんどんシフトしていきますよ」と言っているわけですね。
そこで中国は石炭の代わりに天然ガスにシフトしてくるのではないかと思われているわけです。
ちなみに、中国のエネルギー消費比率はこんな感じになってます⇩
ご覧の通り、中国の石炭比率は圧倒的なのが分かりますよね?
対して、天然ガスの比率は圧倒的に少ない・・・
もうお分かりかもしれませんが、ある意味、中国は脱炭素に向けて伸びしろがめちゃくちゃある国だとういうことが分かるかと思います。
なぜかって言ったら、CO2を排出しまくる石炭をバンバン使っているわけですから、天然ガスに変えたらめっちゃ減るわけです。
これを仮に石炭比率を半分減らし、天然ガスに代替した場合・・・
それだけで莫大なCO2削減(従来比30~40%くらい)を達成することが出来るのではないかと思います。
そしたら世界に対して中国は「世界の皆さんどうですか?はったりではなく、我々は約束を守りました!それに対して先進国はどうですか?クリーンなエネルギーと言いながら、結局石炭を使いまくっているじゃないですか?」
なんて主張ができてくるのではないかと思ったりしているわけです。
そりゃ当然ですよね?
なんたって、世界で一番供給しているロシア産の天然ガスが、中国にバンバン垂れ流し状態になるのに対して、EU、日本など先進国は、ロシア産の天然ガスが手に入らなくなるわけですから。
天然ガス不足で弱体化する先進国
さて、もし上記で話したシナリオ通り、ロシア産の天然ガスがもしも手に入らず、中国にばっかり行きわたってしまったら大変ですよね?
じゃ~それまで日本を含め、EUなど、ロシア産の天然ガスに依存しまくっていた国々はどうなるのか?
むちゃくちゃ高い天然ガスを、ロシア以外の国から仕入れなくてはいけないわけです。
しかし「そんな高いエネルギー買えないよ!他になんとかならんのか!」・・・という問題も生じてきます。
では、代わりのエネルギーはなんなのかって言ったら、CO2を排出しまくる石炭、原油しかなくなるわけです。
「いやいやクマ男さん!再生可能エネルギーがあるじゃん!」とおっしゃる方がいるかもしれませんが、残念ながら再生可能エネルギーで成り立つ国家は、ほとんど存在しないし、このロシア・ウクライナ問題で資源調達が難しくなり、さらに遠のく可能性があります。
だから、このロシア・ウクライナ問題は、中国にとってもわりと好都合だったりするわけです。
なんたって、中国はロシア産の天然ガスを独り占めできるかもしれないし、しかも世界で天然ガスの価格がめっちゃ上がっているのに対し、ロシアから安く仕入れることも可能になる。
さらには、その天然ガスを他国に転売するようにまでなり、エネルギー分野においても中国は力を持つようになるかもしれない。
もちろん、あくまでも私の推測であって、単なる可能性に過ぎません。
今後、この問題がどのような形で決着がつくのか、全く予想もつきませんから・・・
そんなシナリオもありますよって話しでございました('ω')
ということで、次回は「マジか~!石油も天然ガスもマジ値上がりしまくってるわ~」
というカオスな状況化に対する私なりの戦略についてお伝えしたいと思います(._.)