皆さん
こんにちは!
前回の投稿の続きということで、
【ロシア ウクライナ戦争で小麦価格が高騰!その原因と日本への影響?】というテーマで話をしていきたいと思います。
さて、前回の投稿では、ロシア・ウクライナ問題によって世界の小麦不足が深刻化し、「価格の爆上げが始まりますよ」的な話をさせて頂きました。
もちろん、価格が上がるだけでなく、世界の胃袋を満たすために小麦は必要な食糧であって、今後小麦の争奪戦が始まるのではないかと思っていたりします。
ということで今回は、それが日本にとって影響はあるのか否か?
私なりに解説していきたいと思います。
もちろん、専門家でもなんでもないので、話半分程度で聞いて頂けたら幸いです。
主に「小麦不足が与える日本への影響」について4つ紹介します⇩
- 小麦価格の高騰からは免れない
- 日本が小麦不足になることはなさそう?
- 小麦の本格的な爆上げは来年以降にやってくる?
- 小麦不足は日本の米農家にとって朗報?
ということで順に紹介していきたいと思います(^^♪
小麦価格の高騰からは免れない
さて、まず避けては通れないのは小麦の国内での値上げですよね。
⇩のグラフは小麦先物価格の推移になりますが、ご覧のとおりロシアがウクライナ侵攻直後におぞましい勢いで爆上げしているのが分かるかと思います。
突き上げるかのように、チャート動いているのが分かるかと思います。
なんと小麦の先物価格の上げ率は、昨年末の価格から計算すると、約1.7倍・・・
2020年の年末から比較すると、なんと2倍以上の上げ率です(;'∀')
そもそも、なんでロシア・ウクライナ問題で小麦の価格が上がるのかというと、前回の記事でもお伝えしたように、小麦の世界輸出シェアをこの2国だけで約30%も占めているからです。
もし仮に30%もの輸出が途絶えてしまった場合、世界中で小麦不足が起こってしまい、そうなれば小麦の価格は需給のバランスで高騰してしまう可能性が高いわけですね。
当たり前ですけど、貴重性の高いものはダイヤモンドじゃありませんけど、値段が上がるのは想像できますよね?
みんなが欲しがっているのに、わざわざ価格を低くして売るバカはいませんって話です。
ではでは、肝心の日本は一体どれほど小麦を海外から輸入しているのか?
日本国内における小麦の輸入割合は、国内供給に対してなんと約85%程度です。
自国で作っているのであれば問題ないのですが、食糧自給率が40%未満の日本は残念ながら価格高騰の未来から逃れられないようです(;'∀')
なので、皆さんが大好きなパンや、ラーメン、うどんやそば、そして食後のデザートなんかも・・・残念ながら値段が上がってしまうようです。
②日本が小麦不足になることはなさそう
小麦の値段が上がるのは残念ながら免れない・・・
しかしながら、世界中で小麦不足が深刻化していくと予想される中、日本においては「小麦製品が食べれなくなる」みたいなことはなさそうです。
なぜなら、⇩の表を見て頂ければ分かるよう、日本の場合、ロシア、ウクライナから小麦を輸入していないからです。
主に日本は、アメリカ、カナダ、オーストラリアからの小麦を輸入しています。
ちなみに世界一の輸出大国であるロシア、そして第5位のウクライナは、その多くを中東やアフリカ、東南アジアなどの国々に輸出しているので、日本を含めた俗に先進国と呼ばれている国々はそんなに問題はないのかなと思っています。
なので、短期的、中期的には小麦不足による「パンもラーメンも食べれません!」みたいなことは起きないのではないかと思っています。
もちろん!もちろんですよ!
それがある意味怖くて、途上国のように食べ物の選択肢が少なく、小麦の供給が途絶えただけで餓死してしまうような状況になってしまったら・・・
そんな国が今後あらわれてきて、「あいつら他に食べれるものたくさんあるのに、なんで今まで通り食べてんだよ!こっちは餓死寸前なのにふざけんな!」
そんな問題が出てきたときには、日本も今まで通り小麦を食べれるかどうか全く分かりません。
ちょっと怖いこと言いますが、人間、自分達が生き延びるためであれば手段は選ばない・・・
それが、国単位で起きるというのが、今回のウクライナ侵攻で私が特に強く感じたことです。
とまあ、とにもかくにも短期的、中期的には値段はグングン上がるけど、小麦を食べ続けることは可能なのかなと思います。
③小麦の本格的な爆上げは来年以降にやってくる?
さて、問題は価格がどれくらい上がるのか?
いつから本格的に上がってくるのか気になるところ。
先ほど、小麦の輸入の約85%ほどが輸入品だとお伝えしましたが、この海外産小麦の輸入は日本政府が国家貿易として輸入していて、それを日本の製粉業者などに売り渡しています。
実は、この売り渡し価格については少しカラクリがあって、小麦の海外産価格が値上がりしていても、すぐには反省されない仕組みになっています。
その仕組みとは「輸入小麦の政府売渡制度」というもので、直近6か月間の平均買付価格をベースに算定していて、先月から小麦が爆上がりしていたからといって、すぐに値段が上がるわけではありません。
しかも、制度のルールとして価格改定時期も定められています。
それは 年2回の(4月期、10月期)にそれぞれ行われます。
つまり、今この投稿を書いているのが3月末の話なので、「来月(4月)から値上がりしますよ!」って話です。
ちなみに上げ幅は現行価格から17.3%の上昇です。
でも、ウクライナ侵攻があって小麦の先物価格が爆上がりしたのは3月・・・
ってことはですよ、本格的な小麦の爆上げシーズンは10月からって話になるわけですね(;'∀')
そして、それらの値上げはあくまでも政府からメーカーへ売り渡される価格ですから、私たちの身近なパンや麺、お菓子など、小売り価格に反映されるのは恐らく来春頃になるのではないかと思います。
そこで気になるのが、「小麦の価格が寝上がったら、パンや麺の価格ってどの程度上がる??」って話になるわけですが、それも農林水産省に参考になる資料があったので添付しました⇩
これはつまり、スーパーなどで販売されている食パンやカップラーメンなんか販売されている小売価格にしめる割合なんですが、思っていたよりも少ない印象ですね。
どちらかというと、運送費や人件費など、販売管理費の方が高いようです。
仮に食パンが200円だったとして、そのうちの8%が小麦の原材料費とすると、食パンにしめる小麦のコストは16円。
小麦の価格が仮に20%値上がりしたとすると、16円×20%➡@3.2円
なんと、小麦の価格が20%値上がったとしても、食パンの価格はたったの1.6%の値上げ幅・・・
大したことないですよね~・・・
と言いたいところですが、残念ながらそういうわけでもありません。
なぜなら忘れてはいけないのが、ロシア・ウクライナ問題によって、原油や天然ガス、石炭など、エネルギーコストがめちゃめちゃ上がっています。
追い打ちをかけるように、急激な円安も起きていて、企業の製造コストは爆上がりしていくのが安易に予想されます。
さらに本格的な小麦製品の小売価格の転嫁は、来春くらいと予想されますから、そのときの価格がいくらになるのか・・・
そんなかんだで、小麦及び小麦を使った製品価格改定がどれほどなのかについては、今後の世界情勢次第って感じです。
恐ろしい価格になるのか?
それとも、ロシア、ウクライナが和平交渉成立で価格が多少は安定し始めるのか?
それはいまのところ誰にも分かりません・・・
④小麦不足は日本の米農家にとって朗報?
さて、最後に希望というか、日本の未来にとってはちょっぴり明るい話をして終わりにしたいと思います。
というのも、小麦の供給不足が起きて、なおかつ価格が高騰するってことは、少なからず「今まで通りの量を食べ続けられますか?」って話です。
どう考えても、小麦の消費が爆上がりするよりも、よくて停滞、どちらかというと減少傾向にあるのではないかと思います。
となると、主要穀物のちょっとしたゲームチェンジがおきてきてもおかしくないのではないかと思います。
つまり小麦の代替商品となる食べ物です。
そう!まさにお米がそれに相当するのではないかと思っているわけですね。
なぜなら、米粉を使ったパンや麺、お菓子など、普通に作られていたりするので、美味しさが小麦を上回るかは謎ですが、代替物として充分になりえるってことです。
あとは製粉技術や流通量が増えれば価格のブレイクスルーもおきて、従来よりも安価に手に入るようになるかもしれません。
それと、小麦にはグルテンという成分がふくまれていていて、こいつがアレルギーを起こすなど厄介な問題もあったりと、健康上のリスクが実はあったりします。
でも米にはグルテンは含まれていませんから、グルテンフリーな商品とし販売することも出来ます。
なによりお米は日本が誇る国産品ですから、海外に依存しない商品としてもっと活用していくべきですし、日本ブランドを海外向けに販売することだって出来るはずです。
とまあ、もしかしたら米農家さんにとって、小麦不足は好材料なのではないかなと思います。
いずれにしても、世界の情勢不安、そして世界人口の増加にともない、今後は世界的に食糧不足になる可能性があるので、日本人は自国の農作物をもっと自分達で作っていく必要があると私は思っています。
もし仮に世界的に食糧不足に陥ったとき、日本はどれほどのリスクがあるのか?
それについては⇩のグラフをご覧になって頂ければ分かるかと思います。
ご覧の通り、日本が高度経済成長(1955年~1973年)を遂げたあと、凄まじい勢いで食糧自給率が減ってきているのが分かるかと思います。
これがどれほどのリスクをはらんでいるのか・・・
それを日本人1人1人が世界に目を向けて考える必要があると思います。
もちろん、こうなった背景には、人口増加によって食糧生産が間に合わないといった問題もあるのかもしれませんが、それよりも安く手に入る海外産の穀物や肉などに魅力があったことも大きな理由だと思います。
しかしながら、日本円の価値が落ち(円安)、さらに海外の物価もグングン上がってきているわけですから、海外産の安さのインセンティブは以前よりも減っているはずです。
だったら、もっと自国の穀物などに対して、もっと目を向けるべきだと思います。
特に、自国で作り上げてきた日本のお米は海外に対しても高値で売るチャンスだと思いますので、円安を味方につけ頑張って欲しいものだと思います。